医師転職の面接では、志望動機の伝え方が合否を大きく左右します。
とはいえ、「何をどう話せばよいのかわからない」「志望動機が他の応募者と似通ってしまう」と悩む医師は少なくありません。
採用側は、限られた時間の中で応募者の本気度や将来性を見極めようとします。その中で、志望動機は「なぜ当院を選んだのか」を伝える最も重要な材料です。
転職理由を単なる「現職への不満」ではなく、「次に何を実現したいか」へと前向きに表現することが大事です。
その上で、応募先の医療機関の診療方針や取り組みにどのように共感し、自身の経験や専門性をどう活かせるかを結びつけて話すことが、面接官への説得力あるアピールにつながります。
本記事では、医師の志望動機の考え方から、転職目的別の具体例、NGになりやすい伝え方まで、面接で好印象を残すためのポイントを詳しく解説します。
[supervisor_profile]
医師転職で志望動機が重視される理由!採用担当者が見ている3つの視点

医師転職において、志望動機は書類選考の合否を左右する重要な要素です。
医師転職において、採用担当者が志望動機を評価する際に注目するのは、次の3点です。
1. 転職理由の納得感
現職の不満を並べるのではなく、キャリアアップや専門性の向上など、前向きな理由に置き換えられているかが見られます。**「なぜ辞めるのか」ではなく、「次に何を目指すのか」**を明確に伝えることが大切です。
2. 応募先への理解
その医療機関の理念や診療方針、特色などをきちんと調べ、自分の経験とどうつながるかを具体的に語れているかが評価されます。ホームページの表面的な情報だけではなく、独自の視点で深く理解しているかが差をつけるポイントです。
3. 将来の展望
応募先でどのように活躍し、どんなキャリアを築いていきたいのか。中長期的なビジョンを持っているかは、定着性や貢献度を判断する材料になります。短期的な動機に終始せず、継続的な関わりをイメージさせましょう。
医師免許という共通資格がある中で、採用側は「なぜ当院なのか」「どんな貢献ができるか」といった動機の質を見て、選考通過を判断します。
なぜ志望動機が書類選考の合否を左右するのか?

医師転職で志望動機が重視されるのは、医師免許という共通の資格を持つ中で、応募者の違いを見極める判断材料になるからです。
採用担当者が志望動機で確認していること
確認項目 | 具体的な評価ポイント |
本気度 | その医療機関を真剣に選んでいるか |
継続性 | 長期的に勤務する意思があるか |
適合性 | 組織の理念や方針と合致するか |
成長性 | 将来的な貢献が期待できるか |
医師転職では、経験やスキルが同程度の候補者が並ぶことも多く、最終的な判断を分けるのが志望動機の質です。
特に人気のある医療機関では、志望動機の説得力が合否を左右することも珍しくありません。
さらに、面接での深掘り質問は志望動機を起点に展開されるため、書類通過後の面接対策としても極めて重要です。
医師転職における志望動機の書き方

医師転職における志望動機は、構成と内容の両面において、以下の3つのポイントで組み立てることが重要です。
- 200-300文字で印象に残る志望動機の書き方
- 「志望理由→貢献内容→将来展望」の構成パターン
- 医療機関の特徴と自分の経験を結びつける方法
限られた文字数で最大限のインパクトを与えるためには、応募先との適合性を具体的に示し、採用担当者に響く内容に仕上げる必要があります。
これらのポイントを押さえることで、他の候補者と差別化された説得力のある志望動機が書けるようになります。
200~300文字で印象に残る志望動機の書き方
履歴書の志望動機欄では、200〜300文字程度で簡潔にまとめるのが基本です。この文字数は採用担当者が短時間で内容を把握しやすく、印象に残る長さとされています。
効果的な志望動機の構成要素は以下の3つです:
- 結論部分(30~50文字):なぜその医療機関を選んだのか
- 根拠・エピソード(120~180文字):具体的な理由やこれまでの経験
- 締めくくり(50~70文字):将来の展望や貢献意欲
文字数制限の中で効果を最大化するには、冗長な表現を避け、ポイントを絞り込むことが大切です。
工夫点 | 具体的な方法 |
簡潔性 | 一文一義を心がけ、修飾語を最小限に |
具体性 | 数字や固有名詞を活用して説得力アップ |
個別性 | その医療機関にしか当てはまらない内容を盛り込む |
「志望理由→貢献内容→将来展望」の構成パターン

医師転職の志望動機では、「志望理由 → 貢献内容 → 将来展望」の3ステップで構成すると、論理的で説得力のある内容になります。
志望理由(Why)
なぜその医療機関を選んだのかを明確に伝えます。理念や診療体制、専門領域への共感など、具体的な理由があると効果的です。
貢献内容(What)
自分の経験やスキルをどう活かせるかを示します。症例実績や資格、マネジメント経験などを根拠に、即戦力であることを伝えましょう。
将来展望(How)
応募先でどんな成長を目指すかを描きます。専門性の向上やチーム医療への貢献など、中長期的な視点で語ることで意欲と継続性を伝えられます。
この構成で書くことで、採用担当者に「動機・能力・将来性」が一目で伝わり、高い評価につながります。
医療機関の特徴と自分の経験を結びつける方法
説得力のある志望動機にするには、「その医療機関だからこそ活かせる経験」が明確である必要があります。
例えば、回復期リハビリに注力している病院であれば、リハビリチームとの連携経験をアピールするなど、応募先の特色と自分の経歴を具体的に結びつける必要があります。
特色を知るためには、医療機関研究が重要です。
確認項目 | 確認すべき内容 |
診療理念 | 医療機関が大切にしている価値観 |
専門性 | 得意とする診療科や治療法 |
設備・技術 | 最新の医療機器や治療技術 |
地域性 | 地域での役割や患者層の特徴 |
教育体制 | 研修制度や学会発表の支援 |
経験との結びつけ方
志望動機に説得力を持たせるには、自身の経験と応募先の特徴を具体的に結びつけることが重要です。
たとえば、救急医療に注力している病院であれば、「救急科で年間○○件の症例を担当し、初期対応の判断力を磨いた経験」や他職種、他科目と連携するために従事していたことを伝えることで、即戦力としてのアピールになります。
地域密着型のクリニックであれば、「在宅医療や地域連携を意識した診療経験」などが強みになります。
単に「経験があります」と伝えるのではなく、どんな経験をどう活かすのかまで踏み込むことで、採用担当者に本気度と適性が伝わります。
【医師の転職目的別】志望動機の例文集とポイント
医師の転職理由は多岐にわたり、それぞれの目的に応じて志望動機の書き方やアピールポイントを調整する必要があります。
キャリアアップを目指す場合、ワークライフバランスを重視する場合、転科を希望する場合など、転職目的別に効果的な志望動機の例文とそのポイントを紹介します。
また、総合病院とクリニックでは求められる人材像が異なるため、応募先の特性に合わせた志望動機の書き方も併せて解説します。
キャリアアップ転職の志望動機例文
キャリアアップを目的とした医師転職では、専門性の向上や新しい挑戦への意欲を前面に出した志望動機が効果的です。
例文: 「貴院の心臓血管外科センターで、より高度な専門性を身につけたいと考えております。現職では循環器内科として年間200件以上の症例に関わってきましたが、今後は外科的な視点も含めた総合的な心疾患治療に携わり、専門医の取得を目指したいと考えています。貴院の豊富な症例と先進的なカテーテル治療の環境で学びながら、地域医療に貢献できる力を高めていきたいと思っています。」
キャリアアップ転職のポイント
- 現在の専門性を具体的な数値で示す
- 取得予定の専門医資格や認定医資格に言及
- 学会発表や研究活動への意欲を表現
- 新しい技術や治療法への学習意欲をアピール
ワークライフバランス重視転職の志望動機例文
ワークライフバランスを重視した転職では、医療の質を保ちながらも働き方の改善を求める理由を前向きに表現することが重要です。
例文: 「貴院の働き方改革への取り組みと地域医療への貢献に深く共感し、志望いたします。これまで大学病院で蓄積した内科全般の経験を、地域の患者様一人ひとりに寄り添う医療で活かしたいと考えております。貴院の計画的な勤務体制の中で、持続可能な医療従事者として長期的に地域医療に貢献し、同時に自己研鑽も継続していきたいと思います。」
ワークライフバランス重視転職のポイント
- 「楽をしたい」ではなく「持続可能な医療」として表現
- 地域医療への貢献意欲を強調
- 長期的な勤務意思を明確に示す
- 自己研鑽の継続意思をアピール
転科・未経験分野への転職志望動機例文
転科や未経験分野への転職では、新しい分野への真剣な動機と学習意欲を示すことが重要です。
例文: 「貴院が取り組まれている働き方改革や、地域に根ざした医療への姿勢に強く共感し、志望いたしました。これまで大学病院で内科全般の診療経験を積んできましたが、今後は地域の患者様一人ひとりとしっかり向き合う医療を実践したいと考えています。計画的な勤務体制のもとで、無理なく長く働き続けながら、地域医療に貢献するとともに、自己研鑽も継続していきたいと思っています。」
転科・未経験分野転職のポイント
- 転科の明確な理由と動機を説明
- 現在の経験が新分野でどう活かせるかを示す
- 新分野での学習計画や資格取得予定を明記
- 長期的なキャリアビジョンを描く
総合病院転職で重視すべき志望動機のポイント
総合病院への転職では、チーム医療への適応力と多様な症例への対応能力をアピールすることが重要です。
重視すべきポイント:
- 多診療科連携への理解
各診療科との協働経験や多職種チームでの役割を具体的に示す - 急性期医療への対応力
救急症例や重症患者への対応経験を数値で表現 - 教育・研修への貢献
後進の指導経験や研修医の教育への関わり - 研究活動への参画
学会発表や論文執筆の実績と今後の研究計画
表現例: 「多診療科と連携しながら年間○○症例に携わってきた経験を活かし、貴院の総合診療部門で、より包括的かつ柔軟な医療を提供していきたいと考えています。」
クリニック転職で地域医療への想いを伝える書き方
クリニックへの転職では、地域に根ざした医療への理解と患者との長期的な関係構築への意欲を示すことが重要です。
地域医療への想いを伝える要素
要素 | 具体的な表現方法 |
地域理解 | その地域の医療ニーズや特性への理解 |
継続性 | 長期的な地域貢献への意思 |
患者との関係 | 一人ひとりの患者に寄り添う医療姿勢 |
予防医学 | 疾病予防や健康増進への取り組み |
効果的な例文: 「この地域で生まれ育った経験から、高齢化が進む中での医療ニーズを身近に感じてきました。地元に根ざした貴院で、かかりつけ医として患者様の生涯に寄り添える医療を実践したいと考えています。大学病院での内科専門研修で磨いた診断力を活かし、地域の皆様に安心を届けられる医療を提供するとともに、在宅医療にも積極的に関わっていきたいと思っています。」
医師転職の志望動機作成の3つのコツ

説得力のある志望動機を作成するには、事前の準備と情報収集が欠かせません。
応募先の医療機関について深く理解し、自分の強みを客観的に分析し、結びつけるテクニックが必要です。
ここでは、志望動機作成を成功に導く具体的なコツとして、効果的なリサーチ方法、自己分析の手順、そして転職エージェントの活用方法について詳しく解説します。
志望先の医療機関をリサーチする方法
志望動機の説得力を高めるには、応募先の医療機関について詳細なリサーチを行うことが不可欠です。
表面的な情報だけでなく、深い理解に基づいた内容を盛り込むことで、採用担当者に真剣度が伝わります。
効果的なリサーチ方法とは?
1. 公式情報の徹底調査
- 医療機関のウェブサイト、診療案内、(あれば)年報
- 理念、方針、沿革の詳細確認
- 診療科の特色、専門医の在籍状況
- 最新の医療機器や治療技術の導入状況
2. 第三者情報の収集
- 医師向け求人サイトの詳細情報
- 学会発表や論文での医療機関名検索
- 地域医療計画における位置づけ
- 患者の口コミや評価(参考程度)
3. 人的ネットワークの活用
- 同僚や先輩医師からの情報収集
- 学会や研修会での関係者との面談
- 転職エージェントからの内部情報
このリサーチ結果を基に、その医療機関にしか当てはまらない具体的な内容を志望動機に盛り込むことで、他の応募者との差別化を図れます。
自分の強みとアピールポイントを整理するコツ
効果的な志望動機を作成するには、自分の強みを客観的に分析し、応募先のニーズとマッチするアピールポイントを整理することが重要です。
自己分析の手順
1. 経験の棚卸し
- 診療科別の経験年数と症例数
- 取得している専門医・認定医資格
- 研究実績(論文、学会発表)
- マネジメント経験(チームリーダー、委員会等)
2. スキルの可視化
スキル分類 | 具体的な能力 | 証拠・根拠 |
臨床技術 | 診断力、手技、治療法選択 | 症例数 |
コミュニケーション | 患者対応、多職種連携 | 患者満足度、チーム評価 |
問題解決 | 診断困難例への対応 | 成功事例、改善提案 |
教育指導 | 後進育成、研修医指導 | 指導実績、評価 |
3. 価値観の明確化
- 医療に対する信念や哲学
- 患者との関わり方の特徴
- チーム医療での役割意識
- 継続学習への姿勢
自己分析の結果と応募先のニーズを照らし合わせたうえで、アピールポイントを3つ程度に絞って志望動機に落とし込むことが、成功への近道です。
強みを欲張らずに整理することで、採用側にも「この人は即戦力になりそう」と伝わりやすくなります。
転職エージェントに志望動機作成を相談できる?
医師専門の転職エージェントは、志望動機を作成するうえで心強いサポーターです。
転職成功の事例や医療機関の内部事情にも詳しく、採用側の視点を踏まえたアドバイスが得られるため、より説得力のある志望動機が仕上がります。
転職エージェントの活用メリット
1. 医療機関の内部情報提供
- 採用担当者の評価ポイント
- 過去の採用成功者の志望動機パターン
- 医療機関が求める人材像の詳細
- 現在の組織課題と求めるスキル
2. 志望動機の客観的評価
- 第三者視点での内容チェック
- 説得力や論理性の評価
- 医療機関との適合性判断
- 改善点の具体的なアドバイス
3. 個別カスタマイズ支援
- 応募者の経験と医療機関のニーズのマッチング分析
- 複数応募先への志望動機の使い分け方法
- 面接での深掘り質問対策
転職エージェント選びのポイント
選定基準 | 確認事項 |
専門性 | 医師転職専門か、担当者の医療業界知識 |
実績 | 転職成功件数、評判、口コミ |
サポート体制 | 書類添削、面接対策の詳細度 |
医療機関との関係 | 求人先との信頼関係、情報量 |
転職エージェントを活用する際は、自分の希望や経験を詳細に伝え、意見を聞くことで、より客観的で効果的な志望動機を作成できます。
医師転職志望動機のよくある失敗例
多くの医師が志望動機作成で陥りやすい失敗パターンがあります。これらの失敗例を事前に把握し、回避することで、採用担当者に好印象を与える志望動機を作成できます。
ここでは、実際によく見られる失敗例を4つのパターンに分けて紹介し、それぞれの問題点と改善方法を具体的に解説します。失敗例を反面教師として、より効果的な志望動機作成に役立ててください。
「勉強したい」だけでは通らない
「学びたい」「勉強させてほしい」といった表現は前向きに見えますが、それだけでは評価されづらいのが実情です。
採用側は即戦力や貢献意欲を重視するため、「受け身の姿勢」「目的が不明確」と捉えられてしまう恐れがあります。
改善のコツは、「何を学び、どう活かして貢献するか」までセットで伝えることです。たとえば、「○○の分野で知識を深め、今後は○○診療にも対応できる医師として貢献したい」といった形にすると、主体性と将来性の両方を伝えられます。
「勉強したい」がダメなのはなぜ?
- 医療機関は教育機関ではなく、まず医療サービスの提供が最優先
- 一方的に学ぶだけで、組織への貢献が見えない
- 具体的な学習計画や目標が不明確
- 学んだ後にどう活かすかのビジョンが欠如
「勉強・学び」の表現方法
失敗例 | 改善例 |
「最新の医療技術を学びたい」 | 「○○技術を習得し、年間○○症例の治療成績向上に貢献したい」 |
「専門知識を深めたい」 | 「専門医取得により、○○分野の診療体制強化に寄与したい」 |
「経験を積みたい」 | 「○○での経験を活かし、新たに○○分野で即戦力として貢献したい」 |
志望動機を工夫し、学習意欲をアピールすると同時に「その学習によって医療機関にどのような価値を提供できるか」を明確に示すことが重要です。
年収・条件面を直接書いてしまうパターン
給与や勤務条件の改善が転職の主要な動機であっても、基本的に志望動機に直接的に記載することは避けるべきです。
条件面だけを前面に出すことは、医療への情熱や組織への貢献意欲が軽視されていると受け取られがちです。
条件面言及の失敗例
- 「年収アップを目指して」
- 「勤務時間の改善のため」
- 「福利厚生の充実を求めて」
- 「当直回数の削減を希望」
条件面をポジティブに変換する3つの視点
年収アップ → スキル向上・専門性評価 「専門性を適正に評価していただける環境で、より高いレベルの医療を提供したい」
勤務時間改善 → 持続可能な医療 「ワークライフバランスを保ちながら、長期的に地域医療に貢献したい」
福利厚生 → 職場環境・チーム医療 「充実した職場環境で、チーム一丸となって質の高い医療を提供したい」
条件面の改善を求める場合でも、それが最終的に患者や医療機関にどのような利益をもたらすかという観点で表現することが重要です。
志望先の特徴を調べずに書いた薄い志望動機
十分なリサーチなしに作成された志望動機は、どの医療機関にも当てはまる一般的な内容となり、採用担当者に真剣度が伝わりません。
薄い志望動機の特徴
- 「地域医療に貢献したい」(どの地域でも通用する表現)
- 「チーム医療を重視している」(大抵の医療機関が該当)
- 「最新の医療を提供している」(具体性に欠ける)
- 「患者様第一の理念に共感」(表面的な理解)
リサーチした上で書く志望動機の例
1. 具体的なデータや特徴の活用
「貴院の○○センターが年間○○症例を手がけ、△△学会で発表された××治療法に特に興味を持ちました」
2. 地域特性の理解
「高齢化率○○%の当地域において、貴院の在宅医療ネットワークが果たす役割の重要性を感じています」
3. 組織文化への理解
「貴院の『○○』という理念のもと、多職種連携による包括的ケアを実践されている点に深く共感いたします」
志望先独自の情報を具体的に盛り込むことで、真剣に検討していることが伝わり、他の応募者との差別化が図れます。
志望動機と自己PRを混同
志望動機と自己PRは異なる目的を持つため、内容を混同すると効果的なアピールができません。それぞれの役割を理解し、適切に使い分けることが重要です。
志望動機と自己PRの違い
項目 | 志望動機 | 自己PR |
目的 | なぜその医療機関を選んだか | 自分の強みや能力 |
主語 | 医療機関が主体 | 自分が主体 |
内容 | 医療機関への理解と期待 | 経験、スキル、実績 |
方向性 | 外向き(相手への関心) | 内向き(自分の価値) |
混同の失敗例: 「私は○○科で○年の経験があり、○○の症例を○○件担当してきました。専門医の資格も取得しており、マネジメント経験もあります。」
→ これは自己PRの内容で、志望動機になっていない
正しい志望動機の例: 「貴院の○○センターの高度な医療技術と豊富な症例数の環境で、私のこれまでの経験を活かしながら、より専門性の高い医療を提供したいと考えております。」
志望動機では「なぜこの医療機関を選んだのか」、自己PRでは「なぜ自分がふさわしいのか」という視点を明確に分けて伝えることがポイントです。
医師転職の志望動機まとめ
医師転職において、志望動機は書類選考を左右する重要な要素です。限られた情報の中で、採用担当者は応募者の本気度や適合性、将来性を見極めており、その中核を担うのが志望動機です。
効果的な志望動機を作るには、「志望理由→貢献内容→将来展望」の3ステップで構成し、200~300文字程度で簡潔にまとめることがポイントです。自分の経験と応募先の特徴を結びつけ、具体性を持たせることで、説得力が高まります。
よくある失敗例としては、「学びたい」だけの受け身な表現、条件面の強調、リサーチ不足による内容の薄さ、志望動機と自己PRの混同などが挙げられます。こうした誤りを避けるためにも、転職エージェントなどの専門家のサポートを活用し、戦略的に仕上げていくことが大切です。